大林の
地域再興活動
30年プロジェクト
大林千年の里づくり
プロジェクト
歴史と豊かな自然にめぐまれながらも、高齢化・過疎化が進む安佐北区大林地区。
この地区が1,000年先も豊かな集落であり続けるために、地域のみなさまと同じ方向を向いて立ち、「ともにいるよそ者」としてできることに取り組みます。
まずは、田んぼをキーワードに、災害などで耕作放棄地となった棚田を耕し、米をつくり、その米から酒づくり。
そして、地域の魅力を発信し、大林のファンを増やすプロジェクトです。
背景
2014年8月の豪雨災害
大林地区被災地復興支援活動に学生やよそ者が参加し、地域住民と絆を結ぶ。
2015年〜 現在
大林地区に愛着を持った学生(広島大学・広島文教大学が中心)が、学業と両立した復興支援活動の継続を希望し、大林地区連合自治会などに相談。受け入れられて活動継続が可能になる(休耕田や地域行事、サロン活動への参加や企画)。
2017年
学生以外にも、祭りなどに参加した若者・よそ者が大林の魅力=豊かな自然と歴史、都市圏から近い中山間地域、よそ者が受け入れてもらえる地域性などに気づく。 → 事業実施リーダー 馬場田真一もそのひとり(2020年移住)。
同時に、安佐北区に縁があるよそ者が中心となって、地域課題を解決する団体 一般社団法人ふるさと楽舎 設立。
2018年〜
歴史のある大林を「再興」させ、地域を存続させるプロジェクトを開始。
事業経過
2018〜2020年度
大林地区連合自治会の支援の下、活動開始。2反5畝の被災地休耕田を復活させ米作りに取り組み、地元酒造会社に協力を依頼して、地域再興ののろしとなる「酒」づくりを目標に挑む(地区補助事採択)。
2019, 2020年度
不作やウンカ被害などにより、目標達成ならず。
2021年度
クラウドファンディングにより資金を調達し、不退転の決意で米づくりに挑む。
- 照日米(ヒノヒカリ)1.1トンを収穫 : 一等米、安心広島ブランド認証
- この米を(株)旭鳳酒造に託し、2022年春 大林再興ののろしとなる日本酒
「大林千年」が完成
クラウドファンディング
達成
田んぼづくりから3年間。
取り組みの集大成である2020年に、大林の地域再興の日本酒が完成!!の予定でした。
が・・・害虫のウンカが西日本で大量発生。私たちの田んぼも、例外ではなくウンカに襲われ、一夜のうちに緑の田んぼが茶色に変わりました。米の収穫量が4分の1に激減し、お酒を仕込めるために必要な収量に達しないという非常事態に陥りました。
でも、それでも、地域のお酒を造りたい。また、多くの方に私たちの活動も知っていただき、中山間地域の再興の『のろし』を上げたいと、2021年5月クラウドファンディングに挑戦しました。
174名もの方々に、当初目標金額を越える1,800,000円のご支援をいただくことができました。
復興の酒「大林千年」
完成
2022年春 5年の歳月をかけて日本酒「大林千年」ができました。
クラウドファンディングや地域からの協力と支援を力に、初年度は限定2,200本ができました。
- 米は、大林地区桧山の休耕田で育った「照日米」
- 水は、この地域の水脈からくみ上げた「天然水」
- 醸造は、安佐北区可部地区に唯一残る酒蔵「旭鳳酒造」
- 名前は、一般公募の作品の中から選ばれた「大林千年」
安佐北区大林だからこそできた酒です。
休耕田を直して、米をつくるだけにとどまらず、酒に加工する工程を地域内で行うことで、地元による地元産品づくりや「酒」をキーワードに広がるコミュニケーションで、地域元気=地域の再興の礎とする!
その第一歩の『のろし』となる酒です。
初年度の「大林千年」は、郷への想いを残すため、米をできるだけ削らずに丁寧に仕上げたやや辛口で酸味があり、余韻が残る味わいに仕上がりました。
「大林千年」は今後も、継続してつくっていきます。
- 「大林千年」は、毎年 数量限定で生産します。
- このプロジェクトの進捗状況や購入方法などは 随時こちらのクラウドファンディングのページにアップしております。
プロジェクトへの想い
代表理事秦野英子
ふるさと楽舎は、2014年8月の広島豪雨土砂災害で実感した地域課題解決のため、2017年に立ち上げました。中山間地域に点在する地域資源を楽しく紡ぎ合わせ、「ふるさと」を「持続可能な暮らしの場」に再興することがミッションです。
広島豪雨土砂災害の発災時、私は地元・安佐北区の復旧のためボランティア活動に参画し、被災地に通う中である事実に気づきました。それは、災害で露呈するのは、その地域に潜在的にある地域課題であり、その地域課題は災害によって急激に増幅することです。
今、大林地区は、高齢化と荒廃した農地や里山の拡大に歯止めがかからない状況になっています。この速度を緩め、地域に広がる閉塞感を打破するため、「酒」で再興の“のろし”をあげたい。そして、この大林地区が1000年先も集落として存続するための礎をつくりたい。それが、このプロジェクトの、そして私の切なる願いです。
理事馬場田真一
大林地区は、広島市街地まで車で約1時間。自然が残り、市街地での仕事も可能な環境です。2020年、家族6人で移り住み、サラリーマン&週末農家で地域を元気にする取り組みを進めています。中山間地域は、このところ多発する災害や少子高齢化により、消滅集落が進むという状況がある一方で、自然や農業、6次産業化、子育てなどチャンスや可能性も秘めている環境です。
我が町を今後残していこうと活動を初めて4年目。
休耕田に手を入れ、日本酒をつくり、今、この日本酒を掲げて、大林地区の再興事業に参画しています。